予約受付と、現地で案内する人を分けて考える
管理会社が仲介会社から内見の日時を聞き、鍵の受取先を伝え、仲介担当者がお客様を案内する。この運用なら、管理会社の負担は主に受付と鍵の連絡です。入居希望者だけの内見へ切り替えなくても、減らせる仕事があります。
ライナフが公開する三菱地所リアルエステートサービスの取材では、住宅運営部リーシング課の松本氏が、仲介会社に鍵の預け先へ立ち寄ってもらい、案内後に返却してもらっていた手間を説明しています。同社は予約の仕組みと鍵の機器を組み合わせ、現地で内覧を完結できるようにしたと話しています。2019年10月時点の導入取材
候補は、予約する人と現地で案内する人を確かめながら比べます。
| 変える範囲 | 選定で見ること | 現地の案内 |
|---|---|---|
| 仲介会社からの予約受付 | 内見可能枠、承認方法、鍵の場所や注意事項の通知 | 仲介会社が担当する |
| 予約と鍵の受け渡し | 現地のキーボックスや電子錠、利用する人と時間の設定、返却・施錠の確認方法 | 仲介会社が担当する運用を続けられる |
| 入居希望者のセルフ内見 | 本人確認、入場を認める条件、室内の案内、入れない場合の対応、内見後の連絡 | 入居希望者だけで見られる物件を選ぶ |
管理会社が元々同行していない物件では、セルフ内見を導入しても自社の同行時間は減りません。仲介会社との関係や、室内で質問へ答える方法も変わります。自社の予約受付を減らしたいのか、物件の見せ方まで変えたいのかを先に決めてください。
鍵の機器を使う場合は、部屋だけでなく建物入口も確認します。スマサポの公式案内では、仲介会社の予約を管理会社が承認し、指定日時に現地で解錠する流れを示しています。共用入口のオートロックには別の機器が必要とされており、予約が取れることと建物に入れることは、物件ごとに確かめる必要があります。
自動で確定する物件と、確認してから受ける物件を決める
自動予約へ載せる前に、どの物件を、いつ、誰に見せられるかを決めます。退去後でも工事や清掃が残る部屋、入居中で調整が必要な部屋、共用入口の利用に制約がある物件を、通常の空室と同じ条件にはしません。
リアプロBBの内見予約機能では、自動承認と手動承認、受付対象の仲介会社、内見可能な日時、予約前後の受付不可時間などを設定できます。こうした項目に、自社の判断を当てはめてみます。
- 対象の物件:内見可能な状態を誰が確かめるか。工事・清掃の予定が変わった場合、誰が予約枠を更新するか。
- 予約する仲介会社:利用登録や権限をどう確かめるか。未登録の会社からの依頼は、誰が確認して返すか。
- 日時と重複:同じ部屋へ同時に入れるか。前後に清掃や準備の時間が必要か。営業時間外も受けられるか。
- 鍵と案内:建物入口と部屋の入場方法がそろっているか。鍵情報を誰へ、いつ知らせるか。
条件を満たす空室は自動で確定し、個別の調整が必要な依頼は担当者が確認する。内見できない期間は予約を受け付けない。この分け方を候補の画面で設定できるかを確かめます。手動確認の依頼が来たとき、誰にも通知されず待ち続ける状態を作らないことも必要です。
電話でも予約を受けるなら、その予定を同じ空き枠へ反映する方法を確認します。Web予約だけ重複を防げても、電話で決めた予定が別のカレンダーに残れば、同じ時間を案内してしまいます。
物件情報の更新元と担当も決めておきます。複数の掲載先へ情報を渡している場合は、募集情報の共有方法を参照してください。「募集中」「内見可能」「申込あり」は同じ意味ではありません。たとえば工事中でも募集を続ける物件について、内見の受付開始日だけを別に設定できるか確認します。
募集停止後の予約を、一件通して試す
通常どおりに予約できる画面だけでは、導入後に残る仕事が分かりません。自社の募集停止の判断と鍵の方式を確認し、予約後に状況が変わった場合を、候補のデモや試用で確かめます。実際の予約を取り消す試験ではなく、試験用の物件・予約・鍵で、次の処理を分けて確認してください。
| 処理 | 確認する動作と、残る仕事 |
|---|---|
| 新規受付 | 対象の物件と期間で新しい予約を受けなくなるか。既存予約はどの状態で残るか |
| 既存予約 | 管理会社が継続・変更・取消を判断した後、誰が予約へ反映するか。取消理由と担当を残せるか |
| 相手への連絡 | 取消や変更が相手へ届き、伝わったかをどう確かめるか。古い予定の再通知も止まるか |
| 鍵の利用 | 取消前に渡した情報や利用権限がどうなるか。変更が必要な場合、誰が他の予約への影響を確かめて実施するか |
リアプロBBの公式説明には、部屋止めによる自動受付停止と、予約のキャンセル・変更がそれぞれ示されています。ただし、新規受付を止めた際の既存予約、通知、鍵の扱いまで同じ処理で終わると決めず、採用する製品と接続で確認します。申込があったという理由だけで、すべての既存予約を取り消す運用にはしません。
取消メールを送れても、仲介担当者が既に移動中かもしれません。連絡が付かなければ、電話するなど、自社で決めた方法で確認を続けます。連絡できていない状態と、次に連絡する人を記録に残します。
既に伝えたキーボックスの番号は、予約を消すだけでは相手の記憶から消えません。権限のある担当が変更の要否を判断し、変更する場合は他の予約や利用者への影響も確認します。電子鍵を使う候補なら、取り消した予約の権限が終了するかを試験用の実機で確かめます。
日時変更では、予定と通知が更新されるかを確認します。電子鍵と連動する候補では、旧日時と新日時のどちらで鍵を使えるかも試してください。部屋番号の変更があるなら、元の部屋の案内が残らないかも見ます。通常の予約、取消、変更を通して確認すると、候補の説明にある「連携」が自社のどの操作を減らすのか分かります。
内見を実施した後の扱いも確認します。予約時刻が過ぎたことだけでは、実際に内見したか、鍵を返したか、施錠したかは分かりません。鍵の利用記録や仲介担当者の報告など、採用する方式で何を確認できるかを確かめ、報告がない場合に連絡する担当を決めます。
仲介会社が使える案内と、残る問い合わせを用意する
管理会社が設定を終えても、仲介会社が使い方を知らなければ電話は続きます。募集図面や業者向けページの予約入口をそろえ、初めて使う人が登録から予約、鍵の確認まで進める案内を用意します。自動で確定しない依頼には、誰からどの方法で連絡するかも示します。
トーシンコミュニティーの導入取材では、本山氏が社員への登録・操作説明の準備を挙げ、近藤氏は導入当初、仲介会社へ繰り返し説明したと話しています。また、鍵の場所の画像など、仲介会社が現地で分かる情報も工夫しています。2020年10月時点の取材
当日「入れない」と連絡が来た場合の窓口も、予約案内に載せます。受付では、予約した会社・担当者、物件と部屋、予約日時、建物入口と部屋のどちらで止まっているかを確認します。その後、権限のある担当が予約や鍵の設定を照合し、必要なら現地担当へ確認を頼みます。受付担当がその場で別の鍵情報を広げる運用にはしません。
製品の操作サポートと、実際に物件へ行ける体制は、それぞれ確かめておきます。営業時間外に内見を受けるなら、その時間にどこまで対応できるか、現地対応の依頼先と費用の判断者まで決めます。
試用した物件では、Web予約の件数だけでなく、電話が残った理由を見ます。登録方法が分からなかったのか、鍵の案内が足りなかったのか、個別確認が必要な依頼だったのか。通常の予約が進み、残る連絡にも対応する人が決まっているかを確かめたうえで、初期費用、月額費用、機器・設置・保守の費用を比べます。
契約管理や入居者対応も含めてシステムを見直す場合は、賃貸管理アプリの選び方で、広げる範囲を整理できます。
テマトクは、問い合わせの受付から、確認済みの案内、関係先への連絡・手配、結果の報告まで、決めた範囲を担います。内見を認める条件や募集停止の判断は管理会社に残し、予約まわりの問い合わせをどこまで任せるか相談できます。
受付から手配・報告まで、任せる仕事を選ぶ
問い合わせの受付・内容整理、物件別FAQ回答から、業者連絡・手配・報告まで。いまの体制に合わせて任せる仕事を選びます。
費用・方針・例外の判断を管理・運営会社に残し、作業と確認の分担を一緒に整理します。