作業時間と、返答を待つ時間を分ける
コールセンターのACWは、電話が終わった後の記録や手続きにかかる時間を扱います。プロシードのACW解説でも、対応記録や手続きを後処理に含めています。賃貸管理では、後日の業者連絡や日程調整まで調べるなら、その工程も測定対象へ入れます。
| 分けて記録する作業 | 実測するときの区切り |
|---|---|
| 電話受付 | 通話の開始から終了まで。通話履歴で確認できる時間と、測れなかった時間を区別する |
| 記録・確認 | 受付記録への入力、設備台帳や過去の対応を調べる作業 |
| 業者連絡 | 依頼、受付可否の確認、再連絡。それぞれ実際に対応した時間 |
| 日程調整 | 候補日の回収、入居者への確認、確定した予定の連絡 |
| 結果確認・報告 | 作業結果と残件の確認、管理側への報告を作る作業 |
業者の返答を待っていた時間は、担当者の作業時間に足しません。いつから何の返答を待っていたかを別に記録し、待っている間に確認の電話をしたら、その対応時間を作業へ追加します。
複数の担当者が同時に関わった場合は、各人が使った時間の合計と、案件が進むまでの経過時間を分けます。同じ人の同じ時間を、受付と記録の両方へ重ねて計上しないようにしてください。
夜間当番の負担を調べるなら、実際の対応時間に加え、連絡に備える時間帯と翌日の勤務への影響も残します。通話時間だけで、当番体制を続ける負担まで判断することはできません。
一行を一回の作業にする
「記録と集計」シートの黄色い3欄に、計測区分、作業の開始日、終了日を入力します。19〜218行に作業を記入し、各行の計測区分を集計欄と揃えます。記入済みの案件や実績値は入れていません。
一行は、一人が行った一回の作業です。同じ案件で後日業者へ電話した場合は、同じ案件IDで別の行を追加します。氏名や住所を集計表へ繰り返し書く代わりに、社内の対応記録を参照できるIDを使ってください。既存の管理表へ取り込む場合は、空欄の計測表(CSV)も使えます。
| 欄 | 記録するときの注意 |
|---|---|
| 案件ID | 同じ用件の受付、追加連絡、結果確認で共通のIDを使う |
| 通話ID | 一回の通話を識別する。同じ電話の受付と後処理を別行にしても、IDを増やさない |
| 通話区分 | 受電、発信、通話なし、未記録を分ける。通話がない作業と、履歴が分からない作業を混ぜない |
| 作業日時・工程 | いつ、どの作業を行ったかを記録する。最初の受付日だけで後日の仕事を集計しない |
| 作業時間・記録方法 | 実測値と、配分して求めた値を区別する。未計測は空欄と理由を残す |
一回の電話で複数の案件を扱った場合
通話全体の時間を、各案件へ丸ごと重複して入力しません。案件ごとに測れた作業は「案件別」、まとめて行った調整は「複数案件共通」に分け、同じ通話IDを使います。共通作業では案件IDを空欄にし、「共通作業の関連案件ID」に対象を記入します。
通話中の作業時間を合計し、通話履歴で確認できる総時間と照合します。後処理は通話と工程を分けて追加します。内訳が測れなかった場合は、総時間と未計測の内訳を残し、推測した時間を実測として入力しません。
共通時間を案件別へ配分して集計するなら、配分の基準を決め、「時間の記録方法・配分の根拠」に残します。配分した集計へ、元の共通時間をもう一度足さないようにします。元の実測記録も残してください。
Excelは作業時間、作業行数、案件IDの件数、記録済み通話ID数、未計測行数を別々に集計します。案件数は、期間内の「案件別」の行にあるIDの重複を除いた数です。共通作業の関連IDだけに現れる案件は自動加算しません。それも含む件数が必要なら、案件履歴と照合し、重複を除いて別に集計します。
測れなかった作業も残す
通話履歴で時間を確かめられても、その後の入力時間を測っていなければ、受付から記録までを計測できたとは扱いません。未計測の理由を残し、今回の集計で何が欠けているかを示します。実際に作業時間がなかった場合のゼロと、未計測の空欄は分けてください。
負担のある用件だけを選ぶと、全体の時間は分かりません。対象時間帯と用件を先に決め、その範囲の作業を継続して記録します。記録できなかった件数と理由も残し、細かすぎて続けられない場合は工程の区切りを見直します。
知りたいことに合わせて集計する
一週間の負担を知りたい場合
その週に行った作業時間を合計します。前の週に受けた案件の続きも含めます。集計対象は「今週の作業」であり、「今週受けた電話だけの作業」ではありません。
工程別に分けると、受付、記録、業者との往復のどこに手を取られているかを調べられます。件数と作業時間を並べ、夜間や繁忙日など、負担が集中する時間帯も確認します。
電話で別の仕事を中断した場合は、その仕事と、中断・再開の時刻を残します。その間に行った別の業務まで、一律に「電話で失った時間」とはしません。再開時にどの準備や読み直しが発生したかを確認し、業務分担の見直しに使います。
一件あたりの負担を知りたい場合
同じ受付期間の案件を選び、最初の受付から完了確認までなど、一件の範囲を揃えて後日分の作業も集めます。
未完了の案件は、そこまでの時間と未完了件数を別に示します。完了した案件だけを集計すると、長くかかる案件が除かれてしまいます。導入前後も、同じ観察期間と終了条件で比べてください。
導入前後は、件数と用件を揃えて読む
| 見たいこと | 集計する値と読み方 |
|---|---|
| 担当者が使った総時間 | 同じ期間・業務範囲で計測した作業時間の合計。未計測があれば、記録済み分だけと明示する |
| 一件にかかる時間 | 対象案件の総作業時間を、その対象案件数で割る。未完了の扱いと用件の構成を揃える |
| 電話の往復 | 同じ対象案件の通話回数。必要な経過連絡と、聞き漏れによる再確認を履歴から分ける |
| 情報不足による再連絡の割合 | その再連絡があった案件数を、同じ期間・用件の対象案件数で割る。再連絡回数とは別に見る |
作業行数、案件数、通話回数を同じ「件数」に混ぜないでください。総作業時間を通話回数で割った値は、受付後の作業も含むため、平均通話時間とは呼べません。
時間が短くなっても、簡単な用件の比率が増えた影響かもしれません。設備不具合、予定変更、契約相談などの用件別に比べ、受付時間帯、担当体制、繁忙期の違いも添えます。委託先へ移った作業と、自社で不要になった作業も分けて見ます。
導入後に増えた通知確認、記録の訂正、回答資料の更新も自社の作業へ含めます。再連絡や未完了が増えていないかを合わせて確かめ、時間の差だけでサービスの効果を断定しないようにします。
計測結果から、任せる仕事を選ぶ
受付に時間が集中しているなら、受付・案内の委託を検討できます。業者との往復や日程調整が多いなら、その工程を含めた委託の見積条件を作ります。管理者の承認待ちが長い場合は、連絡先や承認条件を見直すことも必要です。
空いた作業時間を、そのまま現金の削減額とは扱いません。支出が変わらなくても、別の業務へ時間を回せるかという判断はできます。テマトクへ相談する場合は、計測表から負担の大きい工程を選び、受付後の連絡・手配・調整・報告を含めて任せる範囲を検討できます。対応範囲を相談する
受付から手配・報告まで、任せる仕事を選ぶ
問い合わせの受付・内容整理、物件別FAQ回答から、業者連絡・手配・報告まで。いまの体制に合わせて任せる仕事を選びます。
費用・方針・例外の判断を管理・運営会社に残し、作業と確認の分担を一緒に整理します。
