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賃貸管理の業務分担。営業と入居者対応をどう分けるか

営業と入居者対応を兼ねる担当者の負担を見直すには、電話の件数と、途中で止まる仕事を一緒に調べます。代表電話だけを見ず、営業担当の携帯やメールに戻ってくる用件も確認してください。

業務分担は、人ごとに仕事の数をそろえるだけでは決まりません。物件や費用の判断、決められた内容の案内、返事を待って確認する作業に分け、それぞれを誰が担うか考えます。

一つの入居者窓口から営業と管理作業を分ける概念図

管理戸数と電話件数だけでは見えない仕事

電話の件数が同じでも、その場の案内で終わる用件と、業者・貸主・入居者の調整が続く用件では負担が異なります。新しい用件と、進捗確認などの再入電も分けて記録します。

実際の公開例として、協永ソフトエンジニアリングの月次レポート(2023年11月号)には、専用窓口を設けても会社の代表電話や営業担当へ直接連絡が来ることが述べられています。自社でも、専用窓口以外に届く連絡を確認する必要があります。

まずは代表電話、担当者の携帯、フォームなど、自社が使っている入口を確認します。件数、通話後の作業、中断された仕事、誰に戻ったかを同じ期間で記録してください。詳しい記録方法は電話業務の負担を把握する表で扱っています。

繁忙期は、一日合計と時間帯別の記録を並べます。問い合わせの多い時間帯と、内見や提案準備など窓口を持てない時間が重なっていないかを確かめます。合わせて、連絡の入口ごとに次の情報を残してください。

連絡の入口分担を変える前に確かめること
会社の電話代表電話と専用窓口で受けた用件。営業・管理担当へ戻した理由
営業の携帯直接の連絡が必要な相手と、案件担当へ渡す方法
メール等フォームも含め、電話と同じ用件か、新しい用件か。担当が受け取ったか
業者の返答進行中の案件、返答を受ける担当、入居者へ次に連絡する担当

個人宛ての連絡が中断の原因なら、代表電話の受付だけを変えても、その連絡は残ります。案件担当へ渡す方法まで試してください。貸主の判断を要する場合は、確認を担う担当へ材料をそろえて渡します。退去の連絡を受けた時点で何を確定させるかは、退去連絡の受付と解約手続きの分け方で確認できます。

一件の仕事を、受付から報告まで分ける

次の表で、自社の業務を工程ごとに確認します。役職や人数ではなく、自社の権限と担当体制に合わせて埋めます。

仕事分担を考えるときの問い
受付・記録物件、用件、前の対応を誰が確認するか
定型の案内元資料があれば別の担当も答えられるか
費用・方針の判断誰が判断でき、どの資料が必要か
業者や入居者への連絡誰が連絡し、不通時には誰が次に動くか
進捗の確認返事を待つ相手と、次の確認担当が分かるか
結果の報告誰が何を確認すれば案件を終えられるか

営業担当が物件の事情を知っているため、判断を持つ方が早い案件もあります。その場合でも、判断材料を集める連絡や、承認後の伝達を別の担当へ渡せるかを考えられます。事情を知る人に、すべての電話と確認が集まる形から見直します。

判断を持つ担当へは、依頼内容、必要な資料、回答してほしい条件を渡します。承認が得られたら、承認した人・範囲と元の記録を、連絡や手配を行う担当へ戻します。承認後の伝達と日程調整まで、事情を知る人へ戻していないかを確かめてください。

管理部門を新しく作る会社でも、工事をできる人がいることだけでは分担は決まりません。fons goldのMiyuki TAKESHITA氏の解説では、リフォーム部門が修繕工事を担えても、オーナーへの連絡や入居者との日程調整は担当を別に決める必要があると説明されています。

社内の施工部門へ頼む場合も、工事の依頼を受ける人、費用の判断を取り付ける人、入居者へ訪問予定を伝える人を分担表に書きます。施工担当の作業可能日と、入居者が立ち会える日は、別々に確認します。管理担当が日程を合わせて施工側へ返すのか、施工担当が直接調整するのかを決めます。兼任する場合も、この連絡を作業に含めて人数と時間を考えてください。

担当を変える前に、必要な情報へたどれるようにする

「今までの担当者に聞かないと分からない」が残っていると、分担表を変えても連絡は元の人へ戻ります。物件の案内、指定業者、承認条件、進行中の記録を、引き継ぐ担当が参照できるか確認してください。

kintoneの入居者管理パックでは、入居者・問い合わせ・工事修繕などを関連付けて確認する例が示されています。自社の既存システムに同様の記録がある場合は、別の共有表を作る前に、その記録を次の担当者が使えるか確かめます。

記録を見る人が増える場合も、業務に必要な閲覧範囲を決めます。入居者の情報を、営業資料や全社向けの業務集計へそのままコピーする必要はありません。

社内分担・システム・外注を、残る作業で比べる

社内分担なら、誰が空けられる時間を持ち、繁忙時に誰が補うかを確認します。システムを使うなら、入力や通知の後に誰の作業が残るかを確認します。外注なら、受付だけか、案内・連絡・手配後の確認まで任せるかを同じ条件で比べます。

どの方法でも、判断を頼まれた人の不在時に止まるなら、その代わりの確認先が必要です。仕事を渡した人が毎回進捗を尋ねる運用なら、次の確認担当と予定を、案件に記録する形へ変えられます。

繁忙日の分担は「空いている人が対応」で終えず、通常担当が受け持てない条件、代わりに受付する人、確定回答を返す人を決めます。受付だけ先に進められる用件と、責任者の判断が必要な作業を分け、不在時にも同じ担当へ戻り続けないようにします。

増員が必要かを判断する場合は、人員体制を管理戸数と作業量から考える方法へ進みます。複数工程をまとめて外へ任せる場合は、不動産BPOの委託範囲に照らし、連絡の受け渡しが増えない分担を検討します。

委託範囲は入居者対応の外注分担表、不在時の情報は対応履歴と引き継ぎで詳しく整理しています。

一つの用件で試し、戻ってくる仕事を確認する

賃貸管理の業務分担表(CSV)に、現在の担当、判断者、引き継ぐ情報、変更後の担当、完了条件を書きます。まず一つの設備連絡や定型の問い合わせを選び、分担を試してください。

見直し後は、受付件数の変化だけでなく、元の担当へ戻った理由、未完了の確認、営業に使えた時間を確認します。まず、担当を変えても滞りなく仕事を引き継げているかを確かめます。

「中断が減った」は、本人の感想だけでなく、提案準備の開始・中断・再開と、予定した仕事を終えられたかでも確認できます。再開するまでの時間をすべて損失とせず、その間に行った別の仕事も残してください。時間外は、実際の作業時間に加え、誰がどの時間帯の連絡に備えるかも決めます。短い電話が数件でも、全員が常に通知を気にする体制を続ける必要があるかは、別の検討事項です。

営業の時間を確保したら、管理受託の初回相談から面談・提案へつなぐ手順で、相談理由と次に調べることを整理できます。

テマトクでも、受付後に残っている連絡や確認を含め、任せたい仕事と自社に残す判断をご相談いただけます。いま使っている記録と、担当者へ戻りやすい用件を持ち込むと、具体的に分担を考えられます。

受付から手配・報告まで、任せる仕事を選ぶ

問い合わせの受付・内容整理、物件別FAQ回答から、業者連絡・手配・報告まで。いまの体制に合わせて任せる仕事を選びます。

費用・方針・例外の判断を管理・運営会社に残し、作業と確認の分担を一緒に整理します。