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賃貸管理の引き継ぎチェックリスト。受託後に渡す情報

新しく管理を受託した物件で、入居者から「前の担当者に修理を頼んでいる」と電話が来る。物件資料は受け取っていても、進行中の案件と約束が分からなければ、管理担当者は状況を調べ直すことになります。

受託後に渡すのは、物件の資料と連絡先だけではありません。進行中の修繕、所有者から得た承認、入居者への連絡の約束、まだ届いていない請求書まで、新しい担当が続きを進められるように引き継ぎます。

物件資料と進行中の案件を引き受ける担当へつなぐ管理引き継ぎ図

管理を始める範囲と、資料の確認担当を決める

管理開始日、対象物件、任される業務を、締結した契約と社内の記録で確認します。営業時の提案と、最終的に合意した条件が異なる場合は、採用された内容を管理担当者が分かる形にします。

管理会社が変わる場合は、貸主・旧会社・新会社の間で、資料や預り金の受け渡し先と期日も合わせます。国土交通省の賃貸住宅標準管理受託契約書の第22条(PDF8ページ)は、契約終了時に管理会社が貸主へ書類・保管金員を引き渡し、滞納状況を報告する規定です。新会社が受け取る範囲や方法は、締結した契約と貸主との合意で確かめます。そこへ、窓口対応に必要な物件資料と残件を加えます。

「設備台帳あり」だけでは、管理を始める準備ができたか分かりません。受け取った版の更新日、現地と食い違う箇所、旧担当へ尋ねる内容を記入します。資料を開けない、鍵の受領数が合わないといった不足には、それぞれ調べる担当と期日を付けてください。

武蔵コーポレーションの三好哲平氏への取材では、前の管理会社から受け取った情報を基幹システムへ登録する仕事と、氏名や請求の正確さを確かめる大切さが語られています。データを取り込めたことと、内容を確認できたことは分けて扱います。

たとえば、部屋別の入居者一覧を登録したら、照合担当が契約書などの原資料と対応付けます。氏名・対象の部屋・適用中の条件に違いがあれば、どの資料のどの箇所が食い違うかを残し、確認する人へ戻します。受領、登録、照合の各段階が分かれば、次の担当が「登録済みだから正しい」と思い込まずに済みます。差異を直した後は、案内や請求など、その情報を使う先にも変更が反映されたか確認してください。

物件の情報と、承認・連絡の条件を渡す

分類渡す情報・確認点
物件情報物件の識別情報、共用部、設備台帳や資料の所在。資料の対象と更新状況、不足の確認担当。
関係先貸主、管理担当、指定業者、建物管理等。役割、連絡方法、不在・不通時の確認先。
承認条件修繕の依頼範囲、費用等の承認手順。合意した条件と、条件外の戻し先。
案内入居者に伝える窓口や物件の案内。切替時点、旧窓口の扱い、変更の周知。
未完了修繕、回答待ち、依頼・約束の記録。次の担当、待っている相手、確認予定。
費用請求見積書、発注・承認の記録、請求書や未着の一覧。発注元、請求先、負担者、処理する会社。

承認条件は「修繕はオーナー確認」とだけ書かず、調査・見積りを頼める範囲、修理や交換の発注を決める人、追加費用が出た場合の連絡先まで渡します。既に承認がある案件は、対象の見積書と、誰がどの範囲を了承したか分かるメール・記録を結び付けます。口頭の説明しか残っていない条件は、説明した相手へ確かめてから案内へ使います。

作業が終わっていても、請求書が未着なら経理への引き継ぎは残ります。管理開始日前の発注分について、どちらの会社が請求書を受け取り、誰へ渡すのかを決めてください。修繕の完了日だけを基準に精算を済ませず、発注内容と実際の請求を照合できる記録を残します。

入居者へ何を知らせるかは、会社間の引き継ぎとは別に用意します。管理会社変更のお知らせと、切替後の問い合わせ対応では、最初の一枚に載せる内容、通知が届かない場合、旧窓口の残件までを扱っています。

未完了の一件は、現在の状態から引き継ぐ

引き継ぐ実際の案件を選び、次の項目を元のメール・依頼書・返答と照合します。旧担当が送った依頼を新担当が受け取ったことと、業者がその依頼を引き受けたことは分けて確認してください。

項目引継ぎ時に照合すること
依頼誰が何を頼み、相手がどこまで引き受けたか。送信・受領・返答の原記録
承認誰がどの作業・費用を了承したか。対象の見積書と返答、追加判断が必要な範囲
約束入居者へ伝えた状況と次の連絡。確認待ちの事項と返答する担当
費用発注元、請求先、負担者、未着の請求書と確認する経理担当
続き新担当が最初に行う作業、待ち先、次の確認予定と不在時の代理

調査・見積依頼と修理・交換の発注は、了承された範囲をそれぞれ確かめます。調査だけの承認であれば、修理の発注まで承認済みとは扱いません。追加の判断が必要になった時点で、確認結果と見積りを揃えて承認者へ戻します。

調査・見積依頼に対する承認と、修理・交換を発注する承認は、それぞれ原記録と範囲を照合する。調査だけの承認を修理発注の承認として扱わない。

入居者への連絡も、業者の返事が来るまで無期限に保留せず、実際に引き継いだ約束に沿って行います。請求先など不足する情報には、調べる担当と期日を付けます。

担当変更は業者と入居者にも伝え、以後の連絡先をそろえます。旧担当の手元に返事が届いたときの転送先も決めれば、新旧の窓口が別々に同じ相手を追わずに済みます。

現在の状態、次の作業、確認予定の持ち方は入居者対応の履歴、業者への依頼後は修繕手配の工程を使えます。

管理開始後の窓口で、情報を使えるか確かめる

kintoneの入居者管理パックは、入居者・問い合わせ・工事修繕の情報をIDで関連付けるサンプルです。既存の管理システムに案件を残せるなら、引き継ぎのためだけに履歴を別の表へ写す必要はありません。

入居者情報や履歴を渡す範囲は、利用目的と会社間の契約上の役割を管理責任者が確認します。個人情報保護委員会の通則編の委託・アクセス制御の説明を踏まえ、受け取る担当と、その業務に必要なデータを対応させます。設備受付を任せるために別物件の名簿や口座情報まで送る、といった渡し方を避けます。

受付担当が実際に一件の記録を開き、物件・部屋、入居者へ伝えたこと、次に連絡する相手までたどれるかを確かめます。元のメールや見積書を開けない場合は、資料を受け取った人に置き場所と閲覧方法を直してもらいます。

受託後の引き継ぎ確認表(CSV)には、資料の受領状況に加え、案件番号、承認の原記録、費用・請求の残件、次の作業を記入できます。物件全体の項目と個別案件を分けて行にし、自社の管理システムに同じ欄があればそちらを使ってください。

テマトクには、引き継いだ物件情報や対応条件を基に、受付・案内から関係先への連絡、業者手配・報告まで任せる範囲を選んで相談できます。新しい物件で任せたい受付・連絡をご相談ください。相談時は、引き継ぐ資料と残件の例、費用を判断する人、今使っている記録先を共有してください。

受付から手配・報告まで、任せる仕事を選ぶ

問い合わせの受付・内容整理、物件別FAQ回答から、業者連絡・手配・報告まで。いまの体制に合わせて任せる仕事を選びます。

費用・方針・例外の判断を管理・運営会社に残し、作業と確認の分担を一緒に整理します。