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マンスリーの稼働率と売上をどう見るか

マンスリーの稼働率が上がっても、賃料収入や費用を引いた額が増えるとは限りません。貸止めを分母から除いたか、どの期間の契約を数えたか、単価や入替えの費用がどう変わったかで、同じ割合でも意味が変わります。

運営の判断では、まず対象の部屋と日数をそろえ、稼働率、賃料収入、費用を並べます。空室を埋めることだけを目標にせず、価格、提供できる期間、清掃・補修で止める日数のどこを見直すかを選びます。

稼働率は、分母を決めてから比べる

この記事の計算では、1室を1日運営する単位を「1室日」とします。部屋ごとに対象期間の日数を求め、その合計を対象室日とします。契約が入っている室日を数え、対象室日で割ります。利用者が外泊した日を差し引くのではなく、契約上その部屋を確保している日数を使います。

全体の契約稼働率 = 契約室日 ÷ 対象室日 × 100

清掃・補修などで貸出しを止める日を除いた割合も、販売の状況を見るために併用できます。ただし、こちらだけを示すと、貸止めが長い部屋でも高い数字になります。

販売可能な期間の契約稼働率 = 契約室日 ÷(対象室日 − 貸止め室日)× 100

二つの割合は、同じ契約室日をどの分母で見るかが違います。自社の予約表と清掃・補修の記録を照合し、同じ対象期間で集計しているか、貸止めと契約の日数が重なっていないかを確かめます。

全体の稼働率は対象室日で、販売可能期間の稼働率は対象から貸止めを除く室日で割る。契約室日は同じでも、分母が異なる。

販売可能な期間が埋まっていても、貸止めが長ければ全体の割合は下がります。その場合、広告を増やす前に、補修の工程へ戻り、作業前の承認や部品待ちのどこに日数がかかったかを調べます。

貸止めを短くする場合も、必要な補修を省くのではなく、見積りや承認の返事、部品・業者の到着を待っている時間を見直します。予定と実際の終了日に差があれば、現場担当へ理由と次に変えられる工程を聞きます。

途中で運営を始めた部屋や、運営を終えた部屋は、その対象期間だけを数えます。全物件の稼働率を出すときも、各部屋の百分率を単純に平均せず、契約室日の合計を対象室日の合計で割ります。部屋ごとに運営日数が違うためです。

賃料収入を、同じ利用期間へそろえる

稼働率と比較する賃料は、その月に入金された金額ではなく、比較する利用期間に対応する契約上の賃料を使います。前払いの入金月だけに全額を置くと、その月に利用している部屋の数と収入が対応しません。

日額が一定の契約なら、比較対象の利用日数に日額を掛けて求めます。月額や期間別料金の契約は、その条件に合わせて対象期間へ対応させます。比較用の集計と会計上の売上計上は分け、管理担当に確認します。

延長・短縮・取消しがあれば、比較する契約室日と賃料を同じ変更後の条件へ直します。部屋を在庫へ戻したのに契約日数だけが残っていないか、精算額に含まれる取消料などを賃料へ混ぜていないかも照合します。

金額比較表での扱い
賃料対象期間の契約室日と対応させる
一時料金清掃料など。賃料と分け、どの利用・作業に対応するかを残す
光熱費など追加備品なども、収入と支出の範囲をそろえ、賃料へ混ぜない
預り金保証金など、預かっている金銭は賃料収入に加えない

wellmoの公式機能案内には、部屋ごとの稼働率や月別売上の分析があります。利用中のシステムで数字を取り出せる場合も、貸止め、契約期間、一時料金をどこへ含めているかを確認してから使います。製品の表示名が同じでも、自社で見たい範囲と一致するとは限りません。

予約・在庫の状態がまだそろっていない場合は、先に予約と空室管理で、契約済み、仮押さえ、清掃中、補修中の区分を整えます。

高い稼働率でも、残る額が多いとは限らない

自社で比較する部屋と期間を決め、次の項目を同じ条件で集計します。稼働率だけでなく、契約した日数、賃料、比較へ含めた費用を並べます。

項目計算と確認
稼働率契約室日を、採用した分母の室日で割る。貸止めの扱いを明記する
賃料同じ対象期間に対応する契約上の賃料。一時料金や預り金を分ける
費用対象の費目と集計元。清掃・準備など、入替えの回数で変わる負担も確認する
差引額賃料から、今回含めた費用を差し引く。含めていない固定費等を明記する

稼働率が高い方の賃料収入や差引額も多いとは限りません。単価、利用期間の組合せ、清掃等の費用を確認します。借上げ賃料、人件費、設備投資など全費用を含めていない集計は、事業の利益とは扱いません。

費用は、契約日数に比例するものだけではありません。契約の入替えごとに清掃や鍵の準備が増える場合、同じ契約室日でも契約件数や利用期間の組合せで負担が変わります。清掃料を受け取る場合も、実際に支払う清掃費と同額とは限らないため、両方を確認します。

GRApPの運営者による2020年の体験記では、宿泊施設をウィークリー・マンスリーで運用した際、単価の低下とともに、利用組数が減って清掃などの変動費も減ったことが述べられています。コロナ期の個別経験ですが、売上と作業負担を一緒に見る理由を示しています。現在の相場や目標率を、その数字から決めるものではありません。

価格・提供期間・貸止めのどこを見直すか

数字の違いが分かったら、次に変えるものを選びます。稼働率の低い部屋を一律に値下げする前に、利用できる連続期間や、貸出しを止めている理由を確かめます。

分かったこと次に確かめること
貸止めが長い販売可能な期間が埋まっているなら、点検・見積承認・補修日程へ戻る。必要な作業を省かず、短くできる待ち時間を探す
連続した空きがない部屋の組合せ、提案期間、予約の割当てを見る。既存契約と次の清掃を動かせるか、希望者に条件が合うかを確かめる
日数の割に収入が少ない料金プランや割引条件を見直す。対象の需要、見積結果、利用期間に加え、値上げで失う可能性も見る
入替えの費用が増えた同じ契約日数でも利用期間の構成や清掃・準備の分担に差がないかを見る。一時料金の収入、作業回数、現場の品質も比べる

空室の合計日数が希望期間を上回っても、複数の部屋に短く分かれていれば、一室を連続して使いたい希望に応えられないことがあります。稼働率は結果を見る数字であり、そのまま提案可能な在庫表にはなりません。予約表で連続期間まで戻って確認します。

売上の集計だけでは、実際に提案できなかった希望は見えません。在庫担当には「何日空いているか」だけでなく、問い合わせの開始・終了日に合う一室があったかを尋ねます。分割した部屋への移動を提案する場合も、入居者が移動できるか、清掃や鍵の準備が増えるかを営業・現場と合わせます。

料金を変える場合は、決まった契約の単価だけでなく、提示して決まらなかった見積もりも見ます。高い料金で決まった一件だけを残すと、提案できなかった需要が見えません。問い合わせと見積結果は、要望・失注理由の分析へつなぎます。

月次では、対象と費用の範囲を変えずに追う

比較表には、実績と将来の予約見込みを分けて残します。来月の確定予約から計算した稼働率は、月末まで終わった実績ではありません。取消しや追加予約があれば変わるため、集計時点も付けます。

稼働率と賃料収入の比較CSVは、自社の数値を入れる一行と数式を用意した空欄の票です。行を増やす場合は、数式も一緒に複製します。対象室数・日数、貸止め室日、契約室日、賃料収入、比較へ含める変動費を入力すると、稼働率や単価、差額を計算します。百分率は「90」のような数値で表示し、追加の%書式は不要です。

一行で期間の異なる部屋をまとめる場合は、対象室日を部屋ごとに計算した合計へ置き換えてください。貸止めと契約の日数が重なっていないかも確認します。費用の範囲が変わった月は、そのまま前月と並べず、同じ範囲へそろえるか変更点を明記します。

広告費を増やす判断なら集客経路の比較、貸止めを長引かせている連絡や手配の見直しなら設備対応の分担へ進めます。数字を見てから、営業・在庫・現場のどの仕事を変えるかを選ぶことで、改善の担当が具体的になります。

受付から手配・報告まで、任せる仕事を選ぶ

問い合わせの受付・内容整理、物件別FAQ回答から、業者連絡・手配・報告まで。いまの体制に合わせて任せる仕事を選びます。

費用・方針・例外の判断を管理・運営会社に残し、作業と確認の分担を一緒に整理します。